ところでこの「Fu」についてなんですが、
同世代のカメラマンの方で、これだけの
スタジオを持って活動する人というのは珍しい
のではないですか?



そうですね。
実際僕の世代なら、フリーでバシバシ撮って、
稼ぎまくるというのが普通ではありますね。
でも僕の場合は、まず「やりたいこと」
「撮りたい写真」があって、それだけのことをするには
これだけの場所が必要だという考えがありますよね。
ですから無理してでもこの場所は
つくりたかったんですよ。



現段階としてはどうですか?

今、ここをつくって1年と4ヶ月なんですけど、
とりあえず潰れてないですから。
それに、リピーターが多いというのは結構
喜んで頂けてると思っていいんじゃないですか。


実は、この現状、カメラも安いし、現像も安い、
しかもデジタルがどんどん普及してコンビニの
機械でもプリントできるという時代で
「写真が商売になるのか?」
という根本的な疑問があるんですが



写真はハードじゃないんですよ。
デジカメが安いとか、オートフォーカスの技術が
上がったとかは本当はそんなに怖くないんですよ。
やっぱり、センスとか、経験の中で培われていく
「撮りたい絵」というのが本当は一番大切で、
だから、ハードがあっても使いこなせていない
現状はあんまり問題にしてないですよね。
それにやっぱり住み分けというか、
普通じゃないものを撮って欲しいと思っている人は
結構いるんですよね。
それに僕自身は「自分の方向性はこうだ」という
ものを持って、仕事をしてるつもりだから、
一度撮れば違いがわかってもらえると思いますよ。