でも「TOGGYはどう思ったか」というのを判断するのって
結構大変じゃありませんか?

 

いやほんとに難しいよ。プレッシャーもあるしね。
でもやっぱり「好き嫌い」は
はっきりさせとかないと いけないと思うんだよね。
映画とかでも「何でもいい作品」という人も
もちろんいるんだけれども、
その評価を見て映画を観にいった人が
「裏切られた」と感じるんじゃあいけないと思う。
それに好き嫌いをはっきりさせることで、
「TOGGYのいうことは信じれる」という
「責任のある存在」というのはつくっていけると思うしね。

 

でもまあTOGGYさんは別 として、
基本的に日本人って自分で「好き嫌い」とか
「いい悪い」を判断するのは得意じゃありませんよね。

 

日本では広い全体が見えにくいからだろうね。
僕も10年前だったら出来ていないと思うし。
やっぱりそういう力って、経験と学ぶ姿勢、
「探求心」から生まれるんじゃないかな。
何をやるにしても「ここでいいや」と思っちゃうと、
世界はそこで終わるでしょ。
あと寄り道をする余裕とかもないと
全体っていうのは見えてこないからね。
たとえば、ジャズで
「ナット・キング・コールが好きです」ていって、
単純にそれだけを聞いておくならそれはそれでいいんだよ。
ナット・キング・コールほどのアーティストなんて
そう簡単にはでてこないんだし。
でもそこで「この人に影響を受けた人は誰なのか」とか
「誰がカバーしてる」とか
「その当時の音楽シーンは どんなだったか」
というような他の部分を 探求するパワーがあれば
そのジャンル全体が見えてくるし、
その中でのナット・キングコールのすごさも
一段と実感できるんだよね。

 

糸口があって、そこから世界が広がるといった感じですね。

 

そう、だから僕が人にジャズを勧めたりする時はまず
コンピレーションアルバム、
誰でもどこかで聞いたことがあって、
入りやすいものから紹介するんだよ。
そこでその人が、気に入ったものを見つけたら
そこから広げていけばいいと思うからね。